赤川次郎『三毛猫ホームズの黄昏ホテル』
12歳の天才ピアニスト少女が殺される!?
その建物はかつては個人の別荘だったそうだ。
今はホテルに改造されている。
だから、大きなホテルではないが、木造建築にしか出せない味がある。
時代を感じさせる風格がある。
その、格式高いホテルで、少女が殺された。
もう10年も前の話である。
当時、その子まだわずか12歳だった。
幼いながら天才的ピアニストで、殺されたのは、ピアノの生演奏中だった。
犯人はまだつかまっていない。
話はかわって。
住宅街で。
片山と石津の目の前に、女がふらふらと出てきたとおもったら、倒れて死んだ。
背中を何者かに深々と刺されていた。
その女性殺人事件と、10年前のホテル少女殺人事件に、何か関連があるかもしれないという。
ホテルは、まさに閉館を控え、最後のイベントを企画していた。
お得意客の無料招待である。
そこへ、三毛猫ホームズ、片山義太郎、妹の晴美、その自称恋人の石津のお馴染み4名も、宿泊することとなった・・・
また音楽がからんだ殺人事件。
赤川次郎氏、お好きですねえ、クラシック音楽が。
そして、あいかわらず、いとも簡単に殺人が行われる。
カジュアル殺人は、赤川氏の特徴でもあるけど、でも、子どもをそんな理由で殺さないでよと、可哀想になりますね・・・。
そして、この作品も、最後の最後まで犯行の全容がわかりません。
私の推理力が不足しているだけかもしれませんけど(汗)。
最後のどんでん返し的な謎解きの内容には、ちょっとゾッとさせられます。
今回もホームズ、ぜんぜん猫っぽくないし・・・・。
(1990年12月1日)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『三毛猫ホームズの黄昏ホテル』
- 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
- 出版社:光文社 カッパノベルズ
- 発行:1990年
- NDC:913.6(日本文学)推理小説
- ISBN:4334028950 光文社文庫新装版=9784334773847
- 232ページ
- 登場ニャン物:ホームズ
- 登場動物:-