赤川次郎『三毛猫ホームズの四捨五入』
片山が銃で狙われた!
・・・しかし、偶然かがみこんだので、弾は別の人に当たり、その人は死んでしまった。
その人には中学3年生の娘がいた。
母親も昔に死んでいた。
片山義太郎の心に、少女に対する申し訳なさが残る。
孤児となった少女を、しかしなぜか最後の身寄りである祖母は引き取ろうとせず、かわりに引き取ってくれたのは、女子校の理事長。
当然、少女もその女子校に転校したが・・・
一方で、晴美は旧友と会っていた。
昔は地味で大人しい子だったのに、なんと今は、金持ち老人の愛人をしているという。
高価なブランド品に囲まれた彼女は、しかし、なぜか幸せそうではない。
昔の恋、陰謀、嫉妬、親子関係。
最初はバラバラに見えた事件や出来事や思い出が、しだいにつながっていく。
・・・・あれ?
今回は、片山義太郎、めずらしく誰にも言い寄られなかったゾ?
若い女性(女の子)がたくさん出てきたのに。身に覚えのないスキャンダルをたてられただけで。
まあ、女性恐怖症の片山としては、その方が気が楽でよかっただろうけれど。
片山刑事にとっては、根も葉もないスキャンダルの方が、美人に言い寄られるより、ずっとマシなようだから。
ホームズの出番も、今回は少ないのでした。
石津もところどころで、片山や晴美にいいように使われて、ろくな活躍もできずにおしまい。
(1997年12月31日)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『三毛猫ホームズの四捨五入』
- 著:赤川次郎(あかがわ じろう)
- 出版社:光文社 カッパノベルズ 光文社文庫
- 発行:1997年
- NDC:913.6(日本文学)推理小説
- ISBN:4334072674 9784334072674
- 195ページ
- 登場ニャン物:ホームズ
- 登場動物:-