馬場のぼる『11ぴきのねこ』
11ぴきのねこシリーズ第1作目
「11ぴきのねこシリーズ」は、馬場のぼる氏の代表作。
これはその第1作目、第15回サンケイ児童出版文化賞を受賞したという名作。
大昔から、本屋の店頭はでいつも見かける絵本シリーズでした。
アマゾンを見たら、評価も平均★4以上、とても良いのです。
つい、ポチっちゃいました。
届いてすぐに読みました。
(いえ、昔、店頭で何回か立ち読みして内容はよく知っているんですけれどね。)
アマゾン画面の説明文。
「11匹のねこたちが力を合わせ怪魚を捕まえる物語で、可愛いねこたちの活躍と迫力のある展開、さらには力を合わせることの素晴らしさが描かれています。とても良い絵本です。」
ええ、まさに、その通りの本です。
ですが。
なんだかなあ。
挑戦すること。
あきらめないこと。
知恵をしぼれば道が開けること。
みんなで協力すれば、きっとできる!
それから、ユーモア。
たしかに、幼児には面白い本だろうと思います。
大人にも魅力的な絵です。
他ならぬ馬場のぼる氏の絵ですもの。
なんともいえぬ、独特な味わいがあります。
本当に、ほのぼの、すてきな猫の絵です。
でもなあ。
大人が楽しめるストーリーではありませんでした。
少なくとも私には、ぜんぜん・・・(汗)
思い出しました。
昔も、この1冊目を立ち読みした結果、続編は手に取らなかったのでした。
猫たちが、食べるために、大きな魚を捕まえる。
それだけのストーリーなのですけれど。
怪魚が、陸の上で、ほら貝を枕にして寝ているというシーンがあまりに・・・
それじゃあ魚じゃないし。
もし魚ならその時点ですでにすんごく弱っていたに違いないし。
そもそも、猫は、水の中で泳いでいる巨大な魚なんて捕獲しようとはしないし。
と、・・・
リアリスティックでつまらない大人な私なのでした。
ごめんなさい。
でもねえ。
子供の柔らか頭に「さかなは、寝るときは、陸にあがって枕をするんだ」なんて刷り込まれちゃったら、と思うと、恐くありませんか?
金魚を「おねんねのじかんですよ~」と水槽から出してしまったら?
あるいは、猫を「おさかなをつかまえておいで」と池に投げてしまったら?
大人なら常識でだめとわかることでも、子供なら、しかねません。
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『11ぴきのねこ』
- 著:馬場のぼる(ばば のぼる)
- 出版社:こぐま社
- 発行:1967年
- NDC:726(マンガ、絵本)
- ISBN:9784772100045
- カラー
- 登場ニャン物:のらねこたち、とらねこたいしょう、じいさんねこ
- 登場動物:さかな