映画『奇跡の旅』

映画『奇跡の旅』

 

猫と犬たちがカナダの大山脈を越えていく。

シーラ・バーンフォード『三匹荒野を行く』原作、ウォルト・ディズニー製作の映画『三匹荒野を行く』映画(1963年)のリメイク版。

サッシーはヒマラヤン。気高く、少々気むづかしい、猫らしい猫。
シャドーはゴールデン・リトリバー。老犬らしい落ち着きと知性の持ち主。
チャンスはアメリカン・ブルドッグ。ドジでおっちょこちょいだが、どこまでも陽気なムードメーカー。

3頭は幼い3人兄弟に、それは大切に飼われていた。
が、一家は仕事の事情で新しい家に引っ越さなければならなくなった。
残念ながら、そこはペット厳禁。
仕方なく、田舎のケイトの家に、3頭は預けられた。
広々とした農家、風光明媚な環境は、動物たちにとってまさに理想郷に見えたが。

もとの家が恋しくてならない。
家族に会いたくてならない。

3頭は、ケイトの留守中に、旅に出てしまう。
懐かしい我が家を目指して!

森では、つぎつぎと困難に出遭った。
猫のサッシーが滝つぼに落ちてしまったり。
やんちゃなチャンスがヤマアラシの逆襲に会ったり。

山の中で迷子の女の子を見つけた。
サッシーとチャンスが女の子を温めている間に、賢いシャドーが人を呼んでくる。
女の子の父親は、動物達に泣いて感謝。
チラシで見た捜索中の動物たちだと気づき、動物愛護センターに連れて行く。

3頭が無事に見つかった!
家族は大喜び、歌を歌いながら、猛スピードで駆けつけるが、愛護センターを、野犬収容所(=殺される!)と勘違いした3頭は、家族と入れ違いに脱走してしまう・・・

映画『奇跡の旅』

映画『奇跡の旅』

*****

原作は、何回も読んだ。
旧ディズニー映画も、何回も見た。
はっきりいって、お子ちゃま映画。
動物たちは話すし、ストーリー展開は、こういう童話の定石通り。

それなのに。

やっぱり泣いちゃった。
ボロボロ泣いちゃった。
最後のシーンで、わかりきっているのに、わかりきっているからなおのこと、涙が出てきて。

もし、うちの誰かが行方不明になってしまったら!
もし、動物達だけで、野生動物や自然の驚異や車やその他と戦いながら、自分に会いたい一心で、ただ会いたい一心で、こちらに向かっていると知ってしまったら!

そう、考えただけで、もう、涙が出てくる。
そして、私は私の子たちを、ぜったい絶対そんな目にあわさないぞと、固く決心する。

全体のストーリーは、原作とはかなり変えてあります。
まず、動物達が原作とは微妙に違っています。
原作ではシャムネコですが、リメイク版ではヒマラヤン。
犬たちも、若いラブラドル・レトリーバーが経験豊富なゴールデン・ラブラドルに、年老いたイングリッシュ・ブルテリアが、若くてやんちゃなアメリカン・ブルドッグになっています。
でもそんなことは、演技できる動物を集める都合もあるでしょうし、些細な変更です。

気になるのは、ストーリーもずいぶん、変わってしまったことです。
原作で印象的なシーン・・・お爺さんが3匹を食事に招くが、動物たちが、テーブル上に並べられたお皿に口を付けなかったため、お爺さんは、動物達は食べたくないのだと勘違いして片づけてしまうシーン。
3匹は飢えていたのです、でもよくしつけられた動物達だったため、「さあお座り」といわれて、椅子ではなく床に座って「待て」をしちゃってたのです。
この一場面が無くなっていたのは残念でした。
そのかわりか、溺れた猫を助ける役が、原作の女の子から、お爺さんに変更されていました。
これもちょっと残念です。
猫の元の飼い主は女の子です。溺れた猫を助けるのも女の子。この組み合わせが良かったのに。
そして、原作には全く無いシーン。
山中で迷子の女の子を3匹が救助する話。
これは余計ですね。なぜこんな話を挿入したのか、私にはわかりません。
あえて言わせて頂くと、安易なお子様用の設定になっちゃっている?
原作では、動物達はパパの猟犬、女の子の猫、男の子の犬ですが、リメイク版ではそれぞれ長男の犬、女の子の猫、次男の犬と、飼い主が全員子供の設定に代わっているのも、子供用に変更されているなと思ってしまう由縁です。
ちょっと残念。

と、辛口を並べてしまいましたが、全体的には、好きな映画です。
全編を通して、素朴な画風が良いです。
猫と犬たちは会話はしますが、野生動物とは話しません。その辺の線引きが明確なのも良いです。
また話すといっても、動物達のふつうの動きにアテレコしているだけです。
最近のSFX映画みたいに、口をパクパク動かしたり、眉をひそめたり、グフフと笑ったりなんて不自然はいっさいありません。
それが良い。

そしてなにより、動物達の演技がすばらしい。
犬たちもですが、とくに猫のサッシーがみごとです。
密閉された室内なら、まだわかります。
森の中、急流の横、大草原、線路の上など、オープンスペースばかりなのに、どこでも堂々と歩いたり走ったりしています。
猫ですから、強制では、演技なんかしてくれません。
しっかりした信頼関係と、途方もない忍耐力がなければ撮れない映像でしょう。

動物が好きな方にお勧め。
ご家族でお楽しみください。

(でも、正直な話・・・旧作の方がもっとお勧めです。あちらは、間違いなく名作です。)

映画『奇跡の旅』

映画『奇跡の旅』では、猫はヒマラヤン。

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

映画『奇跡の旅』

  • 出演: ロバート・ヘイズ, キム・グレイスト, ヴェロニカ・ローレン
  • 監督: デュエイン・ダンハム
  • 製作:WALT DISNEY STUDIOS HOME ENTERTAINMENT 1993
  • 時間: 84 分
  • JAN: DVD 4959241943101
  • 原題:”Homeward Bound: The Incredible Journey”
  • 原書:シーラ・バーンフォード三匹荒野を行く』(The Incredible Journey)
  • 登場ニャン物:サッシー
  • 登場動物:シャドー(ゴールデン・レトリバー)、チャンス(アメリカン・ブルドッグ)ピューマ、アメリカクロクマ、ヤマアラシ、他多数

 


ショッピングカート

 

映画『奇跡の旅』

8.9

猫度

9.8/10

面白さ

8.5/10

猫好きさんへお勧め度

8.5/10

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA