加納朋子『モノレールねこ』

加納朋子『モノレールねこ』

 

猫好きの間で評価の高い『モノレールねこ』ほか。

短編集。うち、動物が出てくるのは、表題の「モノレールねこ」(猫)のほか、「パズルの中の犬」(犬)と「バルタン最期の日」(ザリガニ)。

「モノレールねこ」

なんといっても、ネーミングが良い。
猫の名前が、”モノレールねこ”♪
なぜそんな名前になったかは、読んでからのお楽しみということにして、でもちょいとルール違反のヒント。
毛色は違うけど、見た目がうちのトロ↓にも似た、こんな感じの猫だから?

おなかのたるんだ猫

“モノレールねこ”は、野良猫である。見れば見るほどデブで不細工なねこである。
しかもずうずうしい。

主人公は小学5年生。
生意気なねこ、と思いつつ、気になって仕方がない。

そんな不細工なねこが、ある日、赤い首輪をしてきた。
えっ、飼い猫だったの?
こんなブッサイクなデブ猫が?

そこで一計を思いつく。
その結果・・・ 

加納朋子『モノレールねこ』

加納朋子『モノレールねこ』

 

「パズルの中の犬」

犬は重要な役目ではあるが、犬として活躍するわけではなく。
心理学をうんと易しく面白く解説したような短編。

 

「バルタン最期の日」

これはよかった。
バルタンという名のザリガニを主人公とする、バルタンの目から語られた短編である。

と、書けば、子供だましのおとぎ話と思われるかもしれないけれど、どうしてどうして、大人向けの本だ。それもある程度以上人生経験を積んだ年齢の方がより深く共感できるだろう。

本の後ろの「解説」で、解説者の吉田伸子氏はこう書いている。

駄目だ。やっぱり泣いてしまった。またしても、ザリガニにやられてしまった。(中略)参ったなぁ。まさかこの歳になって、ザリガニの話で泣くなんて思いもしなかった。

ごく短い小説だから、あらすじを書いてしまうとネタバレになるから、ここには書かない。
とにかく読んでみてくださいとしか書けない。

もしこれを読んで、何も感じることができなければ、・・・申し訳ないけれど、それはあなたの人生がまだ薄っぺらいということでしょう。

(2011.6.25)

加納朋子『モノレールねこ』

加納朋子『モノレールねこ』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『モノレールねこ』
副題、シリーズ名など

  • 著:加納朋子(かのう ともこ)
  • 出版社:文芸春秋 文春文
  • 発行:2009年
  • NDC:913.6(日本文学)小説
  • ISBN:9784167673031
  • 295ページ
  • 登場ニャン物:モノレールねこ
  • 登場動物:犬、ザリガニ

 

目次(抜粋)

「モノレールねこ」 2003年
「パズルの中の犬」 2006年
「マイ・フーリッシュ・アンクル」 2006年
「シンデレラのお城」 2002年
「セイムタイム・ネクストイヤー」 2004年
「ちょうちょう」 2004年
「ポトスの樹」 2006年
「バルタン最期の日」 2005年

 

著者について

加納朋子(かのう ともこ)

福岡県北九州市生まれ。文教大学女子短期大学部卒業後、化学メーカーに勤務。平成4年、「ななつのこ」で第3回鮎川哲也賞受賞。平成6年発表の短編「ガラスの麒麟」で、第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)受賞。平成7年に退社して専業作家となる。著書に「魔法飛行」「掌の中の小鳥」「月曜日の水玉模様」「ささら さや」「コッペリア」「てるてるあした」「スペース」「ぐるぐる猿と歌う鳥」などがある。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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加納朋子『モノレールねこ』

7.8

猫度

6.0/10

面白さ

9.0/10

猫好きさんへお勧め度

8.5/10

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