映画『こねこ 旅するチグラーシャ』

映画『こねこ 旅するチグラーシャ』

 

世界で唯一の「猫のサーカス」が全面協力。

洋画では異例の「文部省選定映画」となった、猫を主役にしたドラマ。

私の感想では、これほどすばらしい猫映画が他にあるでしょうか、ってくらいに、最高に愛くるしく、切なく、可愛らしい猫映画です。

なんといっても猫たちが作られていない。もちろん変なCGも無し。猫映画で猫好きが納得できるような作りってほとんどないけれど、この映画だけは誰も文句は出ないでしょう。

主人公のチグラーシャは、どこにでもいそうな、ごく普通の子猫です。それだけにかえって、うちの愛猫たちと重なってしまいます。

映画『こねこ 旅するチグラーシャ』

チグラ―シャは、ペット市の血統書猫たちにまざって、女性の懐に抱かれて売られていた、ふつうの子猫でした。

ほかの猫たちも実に個性的で魅力的です。見知らぬ子猫を救うために、ドーベルマンに立ち向かう勇敢なワーシャ。芸達者なジンジン。いつも舌の先をちょろりと出しているシャフ。その他その他。

猫だけでなく、登場する人たちもすてきです。人々の、猫に対する暖かな気持ち。

中でも、貧しい雑役夫フェージンが秀逸です。このフェージン役をやっているのは、世界唯一の猫サーカスとして有名なアンドレイ・グズネチョフ氏だそうで、道理で!猫の扱い方のうまいこと。そして彼の目のなんともきれいなこと。

その上音楽も良い!素朴で、でしゃばらず、しかししっかりとした存在感があって。

最近のド派手でオーバーアクションで息もつかせないような映画を見慣れた人なら、あるいは物足りなさを感じるかもしれません。
ですが、私にはかえってこのシンプルさが好感でした。
一見シンプルに見せながら、猫に演技をさせるという世界の誰もなしえなかったことをこうも見事にやってのけたロシア人の底力には、すごいものがあります。

さらに、この映画は単にかわいいだけの猫映画ではありません。個人のあり方、家族の絆から、社会批判まで、様々なメッセージが託されています。
動物映画というと子供用のイメージがありますが、むしろ大人の方が深く考え込まされてしまう内容です。
人とお金さえ集めれば作れるスーパーアクション映画より、こういう映画作りの方が、はるかに難易度は高いのではないでしょうか。

名画です。
どうぞご家族全員でご覧下さい。

【あらすじ】

モスクワのペット市場。そこにはあらゆる動物が売られていて、かわいい子犬や、高価そうな子猫たちが並んでいます。しかし、お婆さんと幼い姉弟のハートを射抜いたのは、一見どこにでもいそうな、サバトラの子猫。

子猫はチグラーシャと名づけられました。日本語ならさしずめ「トラちゃん」ってところでしょうか。

やんちゃ盛りですから、悪戯がすごいのです。家の中はパニックです。お母さんの製図にはインキの染みを、フルート奏者のお父さんのケースには粗相をして、「もう我慢できない!」と怒られたりもしますが、子供達はチグラーシャに夢中。はじめて猫トイレを使ったときは家族全員から拍手喝采されました。

ところがチグラーシャは、窓の外の小鳥に気を取られてうっかり窓から落ちてしまい、偶然下を通ったトラックに運ばれて・・・

幼いチグラーシャの大冒険。雪の舞うモスクワの寒空で、チグラーシャは生きていけるのでしょうか?愛する家族に再会できるのでしょうか?

(2009.7.13)

映画『こねこ 旅するチグラーシャ』

チグラーシャが行方不明になり、家族全員でちらしを貼ったりして探します。テレビ広告まで出します。

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『こねこ』
旅するチグラーシャ

ロシア映画
出演: アンドレイ・クズネツォフ 、リュドミラ・アリニナ 、アレクセイ・ヴォイチューク
監督: イワン・ポポフ
販売元: アイ・ヴィ・シー
DVD発売日: 2002/10/25
時間: 97 分
登場ニャン物=チグラーシャ(シピンガレット)、ワーシャ、イザウラ、ジンジン、シャフ、他

 


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映画『こねこ 旅するチグラーシャ』

9.9

猫度

10.0/10

面白さ

9.9/10

猫好きさんへお勧め度

9.9/10

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