グウィン『空飛び猫』

ル=グウィン『空飛び猫』

 

その猫たちの背中には、羽が生えていて、飛ぶことができた。

有名なシリーズですが、最初の1冊目しか持っていません。

なぜかセルマ、ロジャー、ジェームズ、ハリエットの4兄弟の背中には羽が生えていました。
ジェーン・タビー母さんはその理由を「この子達のお父さんが、飛び回って遊んでばかりいるような人だったからだよ」となどと言っていましたが。

ある日、お母さんが再婚することになり、子供達は独立して生まれ故郷を離れます。
そして、数々の冒険を経た後、“人間の手”に出会います。

最後のセリフは

「ねえ、ジェームズ」とハリエットは言いました。「この手って、すごく優しいのね」。
page46

羽が生えている、という特異性にもかかわらず、暖かく迎えてくれる人間に出遭えて、読んでいる方もホッとします。
どの猫も、どんなハンディがあっても、どれほど独特であっても、この子たちと同じように幸せになれますように、と、祈らずにいられません。

元々は子供向けの本。
訳者の村上春樹氏も、「あとがき」で

・・・なるべく読みやすい、そして耳で聞いてわかりやすい文章いするということを頭において、日本語の文章にしました。もし小さなお子さんがいらっしゃったら、実際に声に出してこのお話を読んであげていただkれば嬉しく思います。

と書いています。
でも、大人でも楽しめる本です。大人だけ世帯に置いてあっても、まったく違和感のない、きれいな本です。

このシリーズは、『帰ってきた空飛び猫』、『素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち』、『空を駆けるジェーン 空飛び猫物語』と続きます。
欲しいなと思いつつ、安い文庫本ではないので・・・(汗)

(2003.6.15)

ル=グウィン『空飛び猫』

ル=グウィン『空飛び猫』中表紙

ル=グウィン『空飛び猫』

ル=グウィン『空飛び猫』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『空飛び猫』
CATWINGS

  • 著:アーシュラ・K・ル=グウィン Ursula K. Le Guin
  • 訳:村上春樹(むらかみ はるき)
  • 絵:S.D.シンドラー S.D.Shindler
  • 出版社:講談社
  • 発行:1993年
  • NDC:933(英文学)児童書
  • ISBN:4062058804 9784062058803
  • 50ページ
  • カラー/li>
  • 原書:”Catwings” c1988
  • 登場ニャン物:ジェーン・タビー母さん、セルマ、ロジャー、ジェームズ、ハリエット、ジェーン、アレキサンダー
  • 登場動物:

 

ル=グウィン『空飛び猫』

8.8

猫度

9.5/10

面白さ

8.0/10

猫好きさんへお勧め度

9.0/10

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