むらさきまこと『みんな自分ちのネコがいちばんカワイイと思ってるんでしょ?』
多くの猫たちが登場するギャグまんが。
「 みんな自分ちのネコがいちばんカワイイと思ってるんでしょ? 」
はい、もちろんです。言うまでもありません。誰が何と言おうと、うちの子が世界で一番可愛いに決まっています。それは確固たる事実です。うちの子が、どこの誰よりも、いっちばん、可愛いのです。可愛いのです。可愛いすぎるのです。
でも、このマンガ、タイトルから想像されるような、少女漫画風「親バカ猫メロドラマ」ではありません。
絵は、かわいいタッチもありますが、全体的にギャグ的で、ちょっと不気味な描き方だったり、ニョローンと伸びたり、ビヨヨーンと伸びていたり、ニュルニュル~と伸びきっていたり・・・
とくに顎がですね、丸っこくて(角ばった顎の子もいますが)、よく伸びるんです。猫の顎も、人間の顎も。エラスティックな顎がなんとも特徴的な絵柄です。
人間はかわいい女の子が多いんですが、何人かは男も出てきます、しかし、その中のデブ男の描写が気持ち悪すぎ(私にとって)。あんな男、半径10m以内に近寄りたくない~!(汗)
ま、ギャクマンガですから、キモイ人物は定番ではありますけれど。
ストーリーは、主に、猫達の勢力争いや友情や恋や片思い、それから、、そんな猫達のをめぐる飼い主たちの日常的なドタバタです。
登場人物は女性が多いです。自分の猫を、とても可愛がっています。いわゆる「猫っかわいがり」しています。
けど、残念ながら私の目には、・・・現代日本の猫飼い主としては、かなりモラルの低い人たちと言わざるを得ません。
なぜなら皆、飼い猫を外出自由にさせているからです。去勢・避妊手術率も低い。
しかも、外出自由で未手術の猫に、カチューシャ風レース首輪や、ピラピラした洋服を着せたりしています。これ、絶対に止めるべきこと。
だって、猫って、
- 狭いところを潜り抜けるのが好き
- 物置などゴチャゴチャした中を探検するのが好き
- 木などを登るのが好き
- 飛び降りるのも好き
- スリスリするのが好き
- ゴロンゴロンするのも好き
- 手すりの間から下を覗き込むのが好き
- 箱や穴があればとりあえず潜り込む
つまり、猫という動物は、首輪や洋服を何かに引っかけやすく、そのまま動けなくなったり、最悪首吊り事故を起こす確率がとっても高い動物にゃのです。
だから猫専用の首輪は、簡単にバックルが外れるようになっているのですし、まして外出猫に洋服は着せないのです。猫に服を着せて良いのは、完全室内飼いのスフィンクス(無毛に近いため皮膚を保護する必要がある)以外は、術後や病気など特別な事情があるときだけ。
2009年~掲載の、つまり最近のマンガであることを考えれば、都市部で猫達が皆外出自由という設定は、自動的にお勧め度マイナス★ひとつ。さらに、、飼い猫でありながら避妊・去勢手術されいない猫が堂々と出てくるので、そこでも自動的にマイナス★ひとつ。
というわけで、お勧め度は低くなってしまいます。作者さん、すみません。
が、それらのマイナス点をのぞけば、猫目線なストーリー展開で、猫マンガとしてとても面白いです。これで時代設定が昭和前半~それ以前なら、お勧め猫マンガとなるところです。次の作品はぜひ、少し時代を昔にずらして描いていただきたい作家さんです。
(2013.12.1.)
↑DVDで一度入手したのに、何か失敗して途中でみられなくなり、続きが気になって仕方なく、中古本で買いなおしたというアホな管理人。
↑エラスティックな顎。ま、こんなホラー調もありますが・・・
↑コミカルな部分もたっぷり。
↑作中の女の子たちはこんなにかわいいのに・・・
↑著者の自画像だけは、あまりに自虐的にデフォルメ。ここまでしなくても(汗)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『みんな自分ちのネコがいちばんカワイイと思ってるんでしょ?』
全4巻
- 著:むらさきまこと
- 出版社:双葉社 アクションコミックス
- 発行:2010年(第1巻)~
- NDC:726(マンガ、絵本)
- ISBN:9784575837728(第1巻)
- 登場ニャン物:おまめ、ムーニー、セガール、助六、ポニョ子、にゃーも、パルナス、タッジ、クックル、ぴこりん、まろ(その後まゆぽんに改名)、ポン、ブッチャー、もっち、ジンベ、その他多数
- 登場動物:-