村上春樹『うずまき猫のみつけかた』
村上春樹さんのアメリカ滞在記。
1993年から2年間、村上さんはケンブリッジに住んでいた。
ボストンマラソンに出場したり、車を盗まれたりのエピソードが、軽いタッチで語られている。
猫は所々出てくる。
が、いずれも数行程度の短いもの。
なので猫本にいれようかどうしようか迷ったが、題名にも「猫」が入っているので入れることにした。
一番長い猫話は猫のピーターの思い出話で、これは一番最後の章の大半を占め、6ページ分ある。
最後に自分の昔の猫について語ったというところに作者の猫に対する思いが感じられるような気がする。
写真も数多く挿入されているが、猫が写っている写真が何枚もあり、その他、犬、アヒル、ラマなど、動物をテーマとした写真が多い。
アメリカ記でありながら、いかにもアメリカ風な写真は少なく、ごく普通の金網フェンスの向こう立っているごく普通の雑種猫の写真など、どれもさりげない写真ばかりだ。
ところで、どこかで「うずまき猫」という猫が出てくるのかと思ったが、出てこなかった。
出てきたのは、アメリカ猫なのに日本語で呼びかけてもちゃんと「にゃおうん」と寄ってくる猫とか、ビデオに夢中になる猫、隣の猫などであった。
(2004.02.02)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『うずまき猫のみつけかた』
- 著:村上春樹(むらかみ はるき)
- 出版社:新潮文庫
- 発行:19961年
- NDC:914.6(日本文学)エッセイ、随筆
- ISBN:4103534060 9784101001463
- 255ページ
- 登場ニャン物:コータロー(本名モリス)、ピーター
- 登場動物:-