南里秀子『猫パンチをうけとめて』
日本で初めて「キャットシッター」という仕事を創設された南里さんの本。
キャットシッターとは、ベビーシッター(子守り)の猫版で、飼い主が留守の間、留守宅に通って猫たちのお世話をする仕事のことです。
犬と違い、猫はなわばり=家にいてこそ落ち着ける動物。
旅行に連れて行ったり、ペットホテルに預けるより、キャットシッターに頼むのが一番理想的なことは皆さんもご存じの通り。
キャットシッターをはじめて南里さんは様々な猫たちに会いました。
人なつっこい甘えん坊。臆病な子。最初は臆病で、慣れたらやたら甘えるようになった子。凶暴な子。気難しい子。
この本で、南里さんはそんな様々な子達を描いています。
猫と暮らしていない人、および、猫初心者の方にお奨めしたい本だと思いました。
猫ってこんなに個性豊かで、いろいろな子がいることを知って欲しい。
ある程度以上猫と暮らした経験のある人は、たのしく気楽な猫エッセイとして読んでください。
というのも、この本は「こんな子がいます」という説明はあるけれど、それ以上の説明はほとんど無いんですね。
たとえば、凶暴ですぐ噛みつく子。そういう猫がいる、それだけでおしまい。ではどうすれば噛み癖が治るのか?どうすれば噛まない子に育てられるのか?そういうことはほとんど何も書いていないんです。
具体的な方法が多少とも書いてあったのは、迷子猫を探す方法くらいで、あとは、ちょっとあっけなさすぎるくらいにさらっと流しています。
ですので、今問題児をかかえている飼い主さんにとって、アドバイスあふれる本とはいえないようです。
もう少し詳しく具体的に書いて欲しかったなというのが私の本音です。
(2007.5.28.)
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『猫パンチをうけとめて』
- 著:南里秀子(なんり ひでこ)
- 出版社:幻冬舎文庫
- 発行:2007年
- NDC:645.6(家畜各論・犬、猫)
- ISBN:9784344409156
- 272ページ
- 登場ニャン物:多数
- 登場動物:-