リップルウッド『ネコはなぜ生きる』

バターはどこへ・・・?。
本の帯には「『あの』ネコ達の本」と銘打ってあったので、どの猫達かと思ったら、「バターはどこへ溶けた?」に出てきたネコ達らしい。
らしい、というのは、その「バターは・・・」を私は読んでいないからだ。
この「バターは・・」という本は、少し前にベストセラーになった「チーズはどこへ消えた?」(スペンサー・ジョンソン著)を真似た本だとして確か訴訟騒ぎになっていた話題の(?)本。
その作者の第2弾が、この「ネコはなぜ生きる」らしい。
読んだ感想は・・・この本を哲学書だなんて呼ぶのは止めてください。
馬鹿馬鹿しい。
この程度の内容を哲学と呼ぶのならば、誰だって名哲学書を何冊も書けます。
この内容から推し量るに、「バターは・・・」も、期待できそうにない。
そして「チーズは・・・」も・・・
ベストセラーとして、企業の研修などで使われたりしたそうだが、私はあの薄さの絵本がどうして哲学書なのか理解できなかった。
(「チーズは・・」は立ち読みしました。まるっきりの子ども用ですよね、あの内容は)。
私にとって哲学書とは、カント・ヘーゲルにサルトルやキュルケゴール等。
正直、この程度の本を「哲学だ」なんて大の大人が感動しているようでは情けないと思う。
世の中そんなに活字離れが進んでしまったのかと、改めて愕然としてしまう。
子供に読んで聞かせるのならかまわない、むしろ、とてもおすすめなんだけど。
もっとも同じ子供に与えるならば、例えば佐野洋子さんの「100万回生きた猫」の方がずっとストーリーの完成度が高いし、哲学的にも優れていると思います。
そもそも、「みけ」という名前のネコが男の子だという設定からして気になりまして。
三毛ならふつう女の子でしょ?雄三毛を出すならそれなりの説明が必要でしょ?
(2003.6.14)

リップルウッド『ネコはなぜ生きる』

リップルウッド『ネコはなぜ生きる』
※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。
『ネコはなぜ生きる』
- 著:ディーン・リップルウッド
- 絵:吉沢深雪
- 出版社:幻冬社
- 発行:2002年
- NDC:913.6(日本文学)児童書
- ISBN:4344002075
- 117ページ
- モノクロ
- 登場ニャン物:タマ、ミケ、シャルバン、クランツ
- 登場動物: -