『原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫』

『原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫』

 

「知る」ことこそ、最大の防御。

愛猫が、じっと壁を見ていたら・・・虫!
愛猫が、必死に家具の下の隙間にお手手を突っ込んでいたら、・・・虫!
愛猫が、お口をモグモグ何か食べていたら・・・やっぱり、虫・・・!

今私が住んでいるのは、よく言えば自然豊かな田舎、悪く言えばどの医療施設からも遠く隔てた山間集落。
当然ながら様々な生き物たちが生息していて、一歩外に出れば、否、出ずとも、いろいろな命たちと遭遇する。
会えばその動物について知りたくなる。珍しければつい触りたくもなる。これ、自然な好奇心。

しかしいくら動物好きとて、毒虫には刺されたくはない。痛いのはもちろん、痒いだけでも生活に支障が出ますからね。何年か前、トビズムカデに右手のひとさし指を咬まれた時は肘まで腫れ上がって大変だった。痛くて眠れず、完治に2週間もかかってしまった。

『原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫』

『原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫』

この本を見つけたときは喜んですぐに買った。知識さえあれば多くの事故は防げるし、無駄な殺生もしないで済む。いくら毒虫だろうと、できれば殺生はしたくない。まして無害な虫ならなおさら。

この本に収録されているのは、「日本の野外に生息するいわゆる衛生動物のうち、昆虫類を中心に、一部無脊椎動物を加え、比較的普遍的な種」である。

収録の基準は、

1.刺咬や有毒物質、病原菌媒介などによって衛生上の害を与えるもの。
2.悪臭や不潔な分泌物によって人に不快感を与えるもの。
3.それ自体は無害・無毒であるが、多くの人が嫌悪感を持つもの。
4.上記に該当する昆虫類およびその他の無脊椎動物のうち、野外で比較的普遍的に見られるもの。

しかし、編者の梅谷氏も書いているが、3.の「多くの人が不快感を持つもの」という基準はあいまいで難しい。

個人差の大きい“嫌悪感”以外に実害のない種を登載することは、これらの種に「有害」の基準を与えることになりかねず、自然保護や生物学の普及面からも好ましくない・・・(後略)。

そもそも、害虫だの不快な虫だのというのは、あくまで人間活動の一部分の中のさらに狭い部分を利己的に見た場合のラベリングに過ぎず、どこまでも人間中心で身勝手で相対的な基準なのだから、そういう名を与えること自体が間違っているのである。畑の土の中で人目に触れずせっせと土壌改良に精を出しているミミズは「ありがたい益虫」で、それがアスファルト道路にひからびて死んでいれば「不快な虫、害虫」なんて区分けに、何の意味があろう!

にもかかわらず、

こうした種の一部をあえて紹介したのは、個人の感情の改変が困難なことを是認した上で、なおその可能性に期待したからにほかならない。
(p.IV)。

私も同感だ。実害のない虫には、きちんと「無害」の記載がある。どうか、外見だけで毛嫌いしないであげてほしい。無害と知れば、見ているうちにそのユニークな姿がかえって面白可愛く思えてくる場合だってあるのだから。

なお、私が持っているのは旧版だが、2007年7月に新版が出ている。

(2009.11.2.)

『原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫』

『原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫』田舎で外に出る猫の実に多くがマダニにやられる

 

『原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫』

『原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫』

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫』
副題、シリーズ名など

  • 編:梅谷献二(うめや けんじ)
  • 出版社:全国農村教育協会
  • 発行:1994年
  • NDC:486.1(昆虫類)一般昆虫学
  • ISBN:4881370537 9784881371282(新版)
  • 331ページ
  • カラー
  • 登場ニャン物:-
  • 登場生物:虫たち

 

目次(抜粋)

1.野外性のハエの仲間
2.アブの仲間
3.ブユの仲間
4.ヌカカの仲間
5.野外性のカの仲間
6.ユスリカの仲間
7.ハチの仲間
8.アリの仲間
9.甲虫の仲間
10.ケムシとイモムシの仲間
11.カメムシの仲間
12.野外性のゴキブリの仲間
13.ハサミムシの仲間
14.野外性のダニの仲間
(1)マダニ類
(2)ツツガムシ類
15.クモの仲間
16.ワラジムシ・ダンゴムシ・フナムシの仲間
17.ムカデの仲間
18.ゲジの仲間
19.ヤスデの仲間
20.サソリの仲間
21.サソリモドキの仲間
22.ナメクジの仲間
23.ヒルの仲間
24.ミミズの仲間
付設 毒虫に刺されたあとの始末
野外の衛生害虫の防除法
同定依頼用昆虫標本の送り方
分類表
索引

著者について

梅谷献二(うめや けんじ)

cent北海道大学大学院農学研究科(博士課程)終了。
農林水産省果樹試験場長を経て、現在、(社)農林水産技術情報協会技術参与。農学博士。元日本応用動物昆虫学会会長。
主な著書:「衛生害虫と衣食住の害虫(共著)」(全国農村教育協会)、「毒虫の話」(共著)(北隆館)、「虫の民俗史」「虫の博物誌」(築地書館)、「ヒトの変えた虫たち」(筑摩書房)、「虫のはなしⅠ~Ⅲ(共著)」(技報堂)、ほか。

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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トビズムカデ咬傷

トビズムカデに咬まれたとき、ひじまで腫れ上がって大変でした。

『原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫』

6.3

生物度

9.5/10

面白さ

5.0/10

情報度

9.0/10

猫好きさんへお勧め度

1.5/10

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