羽田詩津子『猫はキッチンで奮闘する』

羽田詩津子『猫はキッチンで奮闘する』

 

『猫は・・・』シリーズで登場した料理を実際に料理してみる!。

今年(2011年)6月、作家のリリアン・J・ブラウンさんが亡くなられていたことを、最近知った。享年97歳。
「猫は・・・(The Cat Who・・・)」のシャム猫ココシリーズで知られる作家である。
和訳は、羽田詩津子さん。

というわけで、未読の本棚に長い間眠っていた本を取り出した。
それがこの「猫はキッチンで奮闘する」である。

といっても、これはブラウンさんの著作ではない。訳者・羽田詩津子さんのお料理エッセイである。

羽田詩津子『猫はキッチンで奮闘する』

羽田詩津子『猫はキッチンで奮闘する』

ココシリーズでは、主人公のクィラランが食いしん坊で、愛猫ココとヤムヤムは美食家、登場人物も食べることが好きな人間が多く、様々な食事シーン、様々な料理が出てくる。

こうなっては、食いしん坊の訳者としても、レシピをただ眺めているだけでは飽きたらない、実際に作って味見もしてしまおう、ということで、ミステリマガジン二〇〇二年四月号からこの連載を始めることになった。
page125

一章の構成はだいたい4ページ。

・2ページ半ほど羽田さんのエッセイ
(本の紹介や、どの部分でその料理が出てきたか、どんなワインと合わせるとよいか、その他日常的なこと)

・小さな囲み記事「今月のポイント」
(愛猫ジョーンズがその料理にどんな興味を示したかとか、料理の邪魔をされないためのポイントなど)

・出来上がった料理の小さなカラー写真とレシピが1ページ。

食べ物(というか、料理すること)にあまり興味の無い私には、レシピ部分より、エッセイ部分の方がずっとおもしろかった。
なんといっても、羽田さんは愛猫家!
いつも17歳の愛猫ジョーンズと一緒に(邪魔されながら?)料理するのだが、このジョーンズがはやり食いしん坊で美食家。好きな食材ならしつこくねだり、きらいな食材は露骨に避ける。なんとも愛らしくほほえましい17歳なのだが・・・しかし、終わりに近い章で突然、あっと思う記述にでくわす。

さて、とりあげられた料理(および本)は、以下の通り。

——————————————

黒っぽい神秘的なソースのかかったチキン
『猫は手がかりを読む』より

ディル・ソースをかけた香りのよいミートボール
『猫はソファをかじる』より

ココナッツケーキ
『猫はスイッチを入れる』より

ハマグリのゼリー寄せ
『猫は殺しをかぎつける』より

〔ナスティ・パスティ〕のパスティ
『猫はブラームスを演奏する』より

羽田詩津子『猫はキッチンで奮闘する』

羽田詩津子『猫はキッチンで奮闘する』

テリーヌとアスパラガスのヴィネグレット・ソース
『猫は郵便配達をする』より

チリ
『猫はシェイクスピアを知っている』より

鱒の香草焼きワイン・ソース
『猫は糊をなめる』より

ピクルスとターキー・ヌードル・キャセロール
『猫は床下にもぐる』より

昔懐かしいブレッド・プディング
『猫は幽霊と話す』より

子牛肉のピカタ
『猫はペントハウスに住む』より

かぼちゃのスフレとカニのルイス・サラダ
『猫は鳥を見つめる』より

野菜スープと野菜バーガー
『猫は山をも動かす』より

ショートブレッドとドライフルーツのシロップ煮
『猫は留守番をする』より

マッシュルームの詰めもの
『猫はクロゼットに隠れる』より

ガンボ
『猫は島へ渡る』より

貝柱の乾燥トマト、バジル、サフラン入りクリームソース
『猫は汽笛を鳴らす』より

ボルシチ
『猫はチーズをねだる』より

シシカバブ
『猫は泥棒を追いかける』より

ハーブ風味のポレンタ
『猫は鳥と歌う』より 

ポークチョップ
『猫は流れ星を見る』より

マカロニ・アンド・チーズ
『猫はコインを貯める』より

スコッチエッグ
『猫は火事場にかけつける』より

ラムチョップのラタトゥユ添え
『猫は川辺で首をかしげる』より

カキのロックフェラー風
『猫は銀幕にデビューする』より

サーモンのヨーグルト・ソース、ベイクトポテトとアスパラガス添え
『猫は七面鳥とおしゃべりする』より

バナナスプリット
『猫はバナナの皮をむく』より

ホットドッグとポテトサラダ
『猫は爆弾を落とす』より

ガスパッチョとトマトのベーコンのキッシュ
『猫はひげを自慢する』より

——————————————

凝ったレシピもあるけれど、「マカロニ・アンド・チーズ」のように家庭的なもの、「ホットドッグ」や「野菜バーガー」のように気取らないもの、「バナナスプリット」のようにいかにもアメリカらしいデザートもあって、お料理好きな方なら作りたくあるレシピがきっとあるのではないだろうか。

(2011.12.3.)

『猫は・・・』シャム猫ココシリーズ まとめはこちら

羽田詩津子『猫はキッチンで奮闘する』

羽田詩津子『猫はキッチンで奮闘する』

 

※著作権法に配慮し、本の中見の画像はあえてボカシをいれております。ご了承ください。

 

『猫はキッチンで奮闘する』
THE CAT SHO STRUGGLED IN THE KITCHEN

  • 著:羽田詩津子(はた しづこ)
  • 出版社:早川書房 ハヤカワ文庫
  • 発行:2008年
  • NDC:596(食品、料理)
  • ISBN:9784150772987
  • 127ページ
  • カラー
  • 登場ニャン物:ジョーンズ、ココ、ヤムヤム、他
  • 登場動物:-

 

著者について

羽田詩津子(はた しづこ)

お茶の水女子大学英文科卒。英米文学翻訳家。訳書に、『アクロイド殺し』クリスティー、『セントラル・パーク事件』ライス、『猫はひげを自慢する』ブラウンなど、他多数。また、《共同通信》や《BSブックレビュー》での書評活動や、《たまごクラブ》でのライター活動も行っている。

『猫は・・・』シャム猫ココシリーズ まとめはこちら

(著者プロフィールは本著からの抜粋です。)


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羽田詩津子『猫はキッチンで奮闘する』

7

猫度

6.5/10

面白さ

7.5/10

猫好きさんへお勧め度

7.0/10

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